高さ36cmとは思えないほどのヴォリュームが感じられる不思議な花瓶です。
大きくどっしりと座ったお尻と対称的に口は可愛らしく軽やかです。
無色、錆朱色、白、若草色の多層被せガラスにアシッドと手によるカメオ彫りで、アメリカ楓がアールヌーヴォー的に描かれたこの意匠はシリーズ展開され、色々なフォルムやサイズの器があります。
何故かこの絵柄に惹かれ、見つける度に買ってしまうのですが、
Rose WILD(1872-1904)というガレの協力者であり、工房の
デザイナーであった女性が1903年に発表した花瓶がオリジナルです。
1905年の万博にも出品されたこのシリーズ、春らしい暖かく優しい色合いと、風に揺れる花房が実に風情があります。
奇しくもガレと同じ年に32歳の若さで儚くも世を去った女流アーティストの最後を飾った秀作といえましょう。
【サイズ】 高さ:36cm 幅(最大):16cm【年代と国】 1903年〜1904年 フランス【サイン】 カメオでGallé【状態】 良好