食卓に花を飾るための花器は西洋では必要不可欠なものであったようです。
今でもレストランのテーブルには必ず小さな花器に花が活けられていますが、
昔は家庭の食卓でも大きなジャルディニエールなり、小さな一輪挿しなりに花を飾ったとみえて、実にさまざまな食卓用花器が多く残っております。
本品もそうした愛すべき習慣の必需品として、つつましくも上品な食卓に花を添えるのに役立ったことと想像します。
コート・ヴェニシエンヌ（ヴェニス風ストライプと呼ばれるガラス器の内側を縦縞上に軽く波打たせたスタイルで、19世紀末から20世紀初頭にかけ流行したフランスの実用的なガラス器や花瓶によく見られる手法）に金彩という当時好まれた定番スタイルの組み合わせで、更にVSLが得意とするグラヴュールした上に金彩を入れる手法を凝らした珠玉の小品です。
資料画像はVSLの1908年版カタログからの抜粋です。

【サイズ】　高さ:15cm 胴径(最大）:7.2cm　口径:3.3cm【年代と国】　19世紀末〜20世紀初頭　　ベルギー【サイン】　ありません。
　印刷が消えた丸いシールの残片を除去しました。【状態】　良好。内側に石灰による曇り少しあり。